過去の取扱事例(当事務所)
循環器科・心臓外科 | ・当初は胸苦しさや胸痛、呼吸困難を訴えて、受診したところ、狭心症の疑いを指摘され、心臓カテーテル検査、心エコー検査をうけ、狭心症や心筋梗塞の疑いはなくなったが、肺塞栓症を発症して死亡した事案 ・健診で狭心症の疑いを指摘され、心臓冠動脈バイパス手術を受けたが、術中出血によりARDS(成人呼吸窮迫症候群)を発症し死亡した事案 |
整形外科 | ・足の骨折を骨折し、大腿骨頸部骨折との診断で、観血的整復固定術を受けたが、術後、顔面蒼白となり、心室性期外収縮が出現、ショック状態となり、肺塞栓症により低酸素脳症の後遺症が残った事案 ・手術中、大出血が生じたのに放置し、そのまま手術を終え、その後も経過観察のまま長時間経過したため、大量出血により死亡した事案 ・結核性脊椎炎を見落としたまま、長期間放置し、死亡直前に気づいたものの、手遅れとなり死亡した事案 ・脊椎管狭窄症の診断を受け、脊椎手術(拡大開窓術)を受けたものの、歩行困難となってしまった事案 |
小児科 | ・先天性心奇形があり、グレン手術、カテーテルアブレーション治療、フォンタン手術等を行ったが死亡した事案 ・低酸素脳症、股関節脱臼を発症していた状態で、観血的整復術を受け、その後、入院中、食事介助等を受けていたが、呼吸停止になったのを見過ごして脳幹障害となった事案 |
内科・消化器内科 | ・めまい、立ちくらみがあり貧血状態、また健康診断で要注意であったにもかかわらず、検査をせず、大腸癌を見落として放置。手術が大幅に遅れ、大きな手術や手術後の治療も必要となっった事案 ・食欲不振等の症状により、消化器内科を受診し、十二指腸の癌手術を行う予定となったが、その前の血管造影検査終了後、圧迫帯を巻いて安静中、肺塞栓を発症した事案 |
外科・心臓血管外科 | ・ヘルニア手術を受けたが、出血が多く、静脈が膨れ上がり、深部静脈血栓、静脈閉塞などが生じ、他病院に緊急転院し、血管外科にて血管除去、血管縫合、入院した事案 |
産婦人科 | ・子宮からの不正出血に対してホルモン療法を行っていたが、出血が継続していたのにもかわわらず、子宮鏡等の検査を行わず、長期間経過した事案 ・病院でがん検診をうけて子宮癌ではないとのことであったが、別病院で診てもらったところ、子宮癌であったため子宮全摘手術をせざるを得なくなった事案 |
眼科 | ・糖尿病を罹患していた患者が、視力悪化を訴え、白内障手術、レーザー光凝固術を受けたにもかかわらず、さらに視力が悪化した事案 |
救急科 | ・救急車で搬送され、画像検査を行ったにもかかわらず、脳梗塞を見落としたため、脳梗塞に対する標準治療を行う機会を逸し、結局、何も処置をすることができないまま、後遺症が残った事案 |
放射線科 | ・乳ガンの手術後、再発予防のために行った放射線照射を左右間違えて実施してしまった事案 |
皮膚科 | ・指爪が黒くなり痛みもあったため、受診し、さらに脇下の腫れも生じたのに、放置した結果、皮膚癌が進行し、他病院で手術をしたが手遅れになり死亡した事案 |
医療裁判例(一般)
事例1-1
- 脳動脈瘤の破裂によるクモ膜下出血の事案において、病院は、脳卒中との判断をしており、項部硬直が認められたのであるから、髄液検査のための腰椎穿刺を行うべきであったのにこれを行わなかったことについて過失を認めた事例 → 詳細
事例1-2
- 34歳男性が血尿が出たことから病院を受診したところ、実際は高度の水腎症であったのに、巨大な肝嚢胞との診断を受け、その後、肝嚢胞の手術中に心停止を起こすなどして、術後約2ヵ月で死亡した事例 → 詳細
事例1-3
- 48歳女性が脳神経外科を受診し、脳底付近に未破裂脳動脈瘤の存在が確認されたためクリッピング手術を受けたところ、架橋静脈を切断したことによる静脈性脳梗塞が発生し、後遺症が残った事例 → 詳細
事例1-4
- 激しい頭痛等のため来院した患者(52歳女性)に対し、検査や投薬等を行ったものの、数日後、脳動脈瘤の破裂によるクモ膜下出血により死亡した事案において、診察した一般内科医や神経内科医について、脳神経外科医に連絡をとってCT写真の読影を依頼するなどの措置を講じなかったことに過失が認められた事例 → 詳細
事例1-5
- 64歳男性が腹痛を訴え、救急搬送された病院で検査を受け、急性胆嚢炎と診断されたものの、実際は、総胆管結石の嵌頓から、急性閉塞性胆管炎、重症急性膵炎も発症して死亡した事案において、重症急性膵炎との診断をしなかった点に過失(診断ミス)が認められた事例 → 詳細
診断ミス、検査義務違反、手術適応判断ミス の 判例
事例2-1
- 模造刀で胸を突き刺されて病院に搬送された患者が、創部を縫合するなどの処置をされたほか、開腹手術が実施されず、抗生剤投与、輸液等の保存的治療が続けられたが、11日後に死亡した事案において、開腹手術をしなかった過失が認められた事例 → 詳細
事例2-2
- 腹痛により入院した17歳高校生に対し、担当医は単なる腸炎と診察して抗生物質の投与と点滴等の治療を行うのみで開腹手術をしないまま敗血症ショックにより死亡した事案について、開腹手術の時期を遅延した過失を認めた事例 → 詳細
事例2-3
- 22歳女性が頭痛を訴えて病院を受診したが、診断が確定しないまま、2度転院し、転院先の病院で、左前頭葉に脳腫瘍など何らかの占拠性病変があると考えられたことから、左前頭骨形成的開頭及び左前頭葉内血腫除去手術を行ったが、その甲斐なく、植物状態となり、その8年後に死亡した事例 → 詳細
事例2-4
- 水腎症、腎不全等のため、左右の尿管皮膚瘻造設術を受けた患者が膀胱癌により死亡した事案において、膀胱癌の検索・治療実施義務違反を認めた事例 → 詳細
事例2-5
- 男子高校生が校内マラソン中、熱射病に罹患し、救急指定医院に緊急入院したが、熱射病が改善せず、脱水症及び低血糖を併発して死亡した事案において、担当医に治療行為の懈怠が認められた事例 → 詳細
事例2-6
- 高校1年生が真夏の野球部での練習中に気分を悪くして意識を失い、病院に搬送されたものの熱射病による多臓器不全で死亡した事案について、担当医に適切なクーリングを行うべき注意義務に違反した過失が認められた事例 → 詳細
事例2-7
- 咳嗽・発熱等の症状で治療を受けていた3歳児が、点滴注射用翼状針を手の甲に差し込まれた際に呼吸停止・心停止になった事案において、担当医の実施した用手人工呼吸法は妥当でなくマウスツーマウスによう人工呼吸法によるべきであったとされた事例 → 詳細
治療義務に関する 判例
事例3-1
- 62歳男性が食道アカラシア(食道通過障害疾患)に対する手術を受けた際に脾臓を損傷した事案について、手術手技上の過失が認められた事例 → 詳細
事例3-2
- 胃癌の53歳女性が胃の全摘手術を受けたところ、転移していた肝臓癌は手術しないことになっていたのに、担当医が、開腹後に予定を変更して肝臓を切除し、術後、急性肝不全により死亡した事案について、肝切除術におけるペアン鉗子の操作や止血方法につき,過失があったとされた事例 → 詳細
事例3-3
- 62歳女性が狭心症、心筋梗塞の治療のためPTCA(経皮的冠動脈形成術)を受けた際、ガイドワイヤーが腎臓の血管を損傷し、失血性ショックで死亡した事案について、腎周囲の出血を見落とした点に過失が認められた事例 → 詳細
事例3-4
- 62歳女性が狭心症、心筋梗塞の治療のためPTCA(経皮的冠動脈形成術)を受けた際、ガイドワイヤーが腎臓の血管を損傷し、失血性ショックで死亡した事案について、腎周囲の出血を見落とした点に過失が認められた事例 → 詳細
事例3-5
- 66歳男性が黄斑部網膜上膜形成症に対する黄斑上膜手術を受けたところ、術後視力が0.09になる等の症状が発生した事案について、術中の過失が認められた事例 → 詳細
事例3-6
- 35歳男性がレーシック手術を受けたところ、右眼に角膜混濁,角膜皺形成などの障害が発生し,右眼の視力が低下し矯正不能な状態に陥った事案について、術中、スパーテルを誤った位置へ侵入させた注意義務違反を認めた事例 → 詳細
事例3-7
- 虫垂炎に罹患した患者が虫垂摘出手術を受けた際、腹腔内にドレーン用のゴム管が遺留された事案において、病院側に過失が認められた事例 → 詳細
事例3-8
- 患者が心室中隔欠損症・感染性心膜炎等の治療のために心臓手術を受けたところ、手術に使用した針が体内に遺残された事案について、病院の責任を認め、慰謝料等が認められた事例 → 詳細